1頭頸部がんについて
どのような症状が現れますか?
がんが発生した部位によって異なります。初期では、がんそのものの症状に乏しく、見逃されやすい傾向があります。
頭頸部がんでみられる症状は様々です。
主な症状としては、
頭頸部がんの多くは初期症状が少なく、また異常があってもがん特有の症状に乏しいことから、見逃されやすい傾向があります。このため、初診時では、半数以上の方が進行した状態で見つかっています。
初診時での進行程度1)

頭頸部がんの種類と主な症状※
がんの種類 [全体の割合1)] |
特徴 | 主な症状 |
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口腔がん [26.3%] |
舌がんが半数以上を占める。中高年の男性に多いが20歳代でも発症することがある。 |
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上咽頭がん (鼻の奥の方) [3%] |
EBウイルス感染ががんの発生に関わり、若者にもみられる。構造上手術が難しく、放射線への感受性が高い部位のため、放射線療法が中心となる。 |
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中咽頭がん ( [16.5%] |
若者で増加傾向を示す。 背景としてHPVとの関連が指摘されている。 |
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下咽頭がん (食道の入口) [20.0%] |
中年期の男性に多いが、一部のタイプでは鉄欠乏性貧血の女性にもみられる。 |
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喉頭がん (声門) [21.3%] |
中年期の男性に多く男女比は10:1。 特に喫煙と深い関係がある。手術に際しては、声を残せるかが重要な判断基準になる。 |
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鼻・副鼻腔がん [7.1%] |
以前は多かったが、近年は減少傾向にある。 男性に多く高齢者にみられる。 |
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唾液腺がん [5.9%] |
耳下腺がんの割合が最も多い。 |
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日本臨床腫瘍学会編:新臨床腫瘍学 改訂第5版, p400. 南江堂, 2018
- 監修:
- 国立がん研究センター東病院
副院長 頭頸部外科
林 隆一 先生