治療の種類と進め方
治療方法には、外から放射線を照射する「外照射法」と、放射線の出る物質を病巣やその周囲に入れて体の中から放射線を当てる「組織内照射法」の2種類がありますが、広く用いられているのは外照射法です。放射線単独で根治治療として用いられるほか、効果の増強を目指して抗がん剤と組み合わせて行われることもあります。また手術のあとの補助治療として、転移巣の痛みなどを和らげる緩和治療としても行われます。
治療スケジュール
スケジュールは、治療の目的やがんの種類ごとに立てられた治療計画をもとに進められます。通常、1回の照射にかかる時間は数分で、痛みはありません。ただし、治療を中断すると十分な効果が得られなくなりますので、職場や家庭での協力を得るなどして、できるだけ治療を継続できる環境を整えておくとよいでしょう。
放射線療法の主な副作用
放射線療法の副作用には、「急性期」に現れるものと、「晩期」に現れる副作用に分けられます。副作用の程度は個人差がありますが、急性期に起こる副作用の多くは、治療後3ヵ月までには軽快します。
予想される副作用や後遺症などについては、あらかじめ、放射線療法の担当医や医療スタッフによく確認しておくとよいでしょう。
放射線療法でみられる主な副作用
急性期の副作用(照射後3ヵ月以内に発症するもの)
- 皮膚炎
- 口腔や咽頭の粘膜炎
- 唾液の分泌障害や口腔乾燥
- 味覚障害
- など
晩期の副作用(照射後6ヵ月~数年以内に発症するもの)
- 皮膚が硬くなる
- 唾液の分泌障害や口腔乾燥
- 味覚障害
- 摂食嚥下障害
- 軟骨や下顎骨の炎症
- など
※薬物療法と併用する場合(化学放射線療法)では、皮膚症状や粘膜炎などの副作用が強く現れることがあります。