悪性黒色腫(メラノーマ) トップ 1 悪性黒色腫とはどんな病気ですか? 2 悪性黒色腫の患者数はどれくらいですか? 3 悪性黒色腫の特徴について教えてください 4 悪性黒色腫の検査と診断について教えてください 5 悪性黒色腫には、どんな種類がありますか? 6 がん細胞と遺伝子変異について教えてください 7 悪性黒色腫の病期とはなんですか? 8 悪性黒色腫の転移について教えてください 9 悪性黒色腫の治療方針について教えてください 10 悪性黒色腫の治療について教えてください 11 治療法別の主な副作用について教えてください 12 緩和療法とは、どのような治療ですか? 13 治療後の経過観察について教えてください 14 セルフチェックについて教えてください 15 確認ポイントについて教えてください 5.悪性黒色腫には、どんな種類がありますか? 悪性黒色腫 基礎知識 悪性黒色腫は、見た目や顕微鏡で観察した組織の特徴などから大きく「末端黒子型まったんこくしがた黒色腫」「表在拡大型黒色腫」「結節型黒色腫」「悪性黒子型黒色腫」という4つの種類(病型)に分類されます。また、これら4病型のほかに粘膜に発生する「粘膜黒色腫」を分類することもあります。ただし、明確に分類できない場合もあります1)。 末端黒子型黒色腫1) 足の裏、手のひら、手足の爪などの末端部に発生する黒色腫です。まず、形がはっきりせず、色調が単一でない褐色・黒褐色のシミができ、進行するとしこりや潰瘍かいようができます。爪に発生する場合は縦に黒い筋ができ、それが爪全体へ広がります。日本人に最も多い病型で、60歳代以降に多く発生します。 画像拡大 表在拡大型黒色腫1,2) 全身のあらゆる部位に発生します。境界が不鮮明で、少し盛り上がったシミとして現れ、色調は濃淡の混じったまだら状です。白人で最も多い病型ですが、日本人にも増えています。がんの成長は比較的ゆるやかです。また、BRAF遺伝子変異が多いことがわかっています。 画像拡大 結節型黒色腫1) 全身のあらゆる部位に発生します。黒色または濃淡の混じった結節(硬いしこり)ができますが、初期にはしこりの周囲にシミのような病変は生じません。40~50歳代に発生することが多く、がんの成長が速いのが特徴です。 画像拡大 悪性黒子型黒色腫1) 高齢者の顔面に多く発生します。境界がはっきりしないまだら状の平らなシミが現れ、長い年月をかけて大きく広がっていきます。日本人患者では最も少ない病型です。 画像拡大 粘膜黒色腫3-5) 口腔、鼻腔、膣ちつ、外陰部、直腸、肛門などの粘膜に発生します。白人に比べると日本人での発生率は比較的高いといわれています。 画像拡大 写真:爲政 大幾 先生 提供 1)国立がん研究センター がん情報サービス「悪性黒色腫(皮膚)」2)信州医学雑誌, 55(1), p3-9, 20073)皮膚の悪性腫瘍, p30, 中山書店, 20144)日本皮膚悪性腫瘍学会「皮膚癌について」: 250-256,20135)悪性黒色腫の組織学的分類, Nippon Rinsho. 71(Suppl) 監修: 医療法人医誠会 医誠会国際総合病院 副院長 皮膚科 主任部長 爲政 大幾 先生 (2024年9月作成) 悪性黒色腫の検査と診断について教えてください がん細胞と遺伝子変異について教えてください 悪性黒色腫(メラノーマ) トップに戻る