5.悪性黒色腫の種類
悪性黒色腫は、見た目や顕微鏡で観察した組織の特徴などから大きく「
ただし、明確に分類できない場合もあります1)。
末端黒子型黒色腫1)
足の裏、手のひら、手足の爪などの末端部に発生する黒色腫です。まず、形がはっきりせず、色調が単一でない褐色・黒褐色のシミができ、進行するとしこりや
表在拡大型黒色腫1,2)
全身のあらゆる部位に発生します。境界が不鮮明で、少し盛り上がったシミとして現れ、色調は濃淡の混じったまだら状です。白人で最も多い病型ですが、日本人にも増えています。がんの成長は比較的ゆるやかです。また、BRAF遺伝子変異が多いことがわかっています。
結節型黒色腫1)
全身のあらゆる部位に発生します。黒色または濃淡の混じった結節(硬いしこり)ができますが、初期にはしこりの周囲にシミのような病変は生じません。40~50歳代に発生することが多く、がんの成長は速いのが特徴です。
悪性黒子型黒色腫1)
粘膜部黒色腫3-5)
2)信州医学雑誌, 55(1), p3-9, 2007
3)皮膚の悪性腫瘍, p30, 中山書店, 2014
4)日本皮膚悪性腫瘍学会「皮膚癌について」: 250-256,2013
5)悪性黒色腫の組織学的分類, Nippon Rinsho. 71(Suppl)
- 監修:
- 地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター 腫瘍皮膚科 主任部長
爲政 大幾 先生