治療法を決めるうえで重要なのが、病型と病期です。
さらに〝予後因子〟なども考慮して治療方針が決められます。
予後とは、病気の治りやすさや経過に関する見通しのことをいいます。ホジキンリンパ腫は予後のよい病気と言われていますが、治療がどのくらい有効かは、患者さんの状態によっても異なります。このため、古典的ホジキンリンパ腫では、患者さんの治療の見通しを推定するための予後因子(リスク因子ともいいます)がいくつか定められています。
治療方針は、病型と病期に加え、これらの状況も考慮したうえで決められます。
日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版, p295-298, 金原出版, 2020
ホジキンリンパ腫の初回治療では、抗がん剤による「化学療法」と「放射線療法」が検討されます。
ホジキンリンパ腫と診断されたあと、最初に行われる治療を「初回治療」といいます。ホジキンリンパ腫の初回治療では、「化学療法」や「放射線療法」が主体となります。治療の種類や進め方は、限局期と進行期で異なります。
限局期の患者さんに対しては、主に抗がん剤による化学療法と放射線療法の組み合わせ、または抗がん剤による化学療法が用いられます。一方、進行期の患者さんについては、多くの場合、抗がん剤による化学療法や分子標的治療との併用が行われます(分子標的治療については、こちらをご参照ください)。病期ごとの大まかな治療法を下の図に示しました(治療の概略)。患者さんによって異なることもありますので、詳しくは主治医に確認してください。
治療の概略※
※古典的ホジキンリンパ腫の場合
日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版, p297-298, 金原出版, 2020
- 監修:
- 国立がん研究センター中央病院
血液腫瘍科 科長
伊豆津 宏二 先生