9再発した場合について

治療の効果が得られなかったり、再発した場合は、
どうしたらよいですか?

初回の治療効果がなかったり、再発した場合も、治療の選択肢はいろいろあります。

治療の効果が得られない場合(治療抵抗性)や、再発した場合に用いる治療を「救援療法」といいます。
ホジキンリンパ腫の救援療法では、多くの場合、初回の治療とは異なる抗がん剤を用いた化学療法(救援化学療法)が検討されます。
また、比較的年齢が若く、救援化学療法の効果があると判断された患者さんに対しては「造血幹細胞移植」が考慮されることもあります。
さらに、「分子標的治療」や「がん免疫療法」など、抗がん剤とは異なる作用を持つ薬物療法も選択肢の1つとなります。

再発したホジキンリンパ腫の治療法

救援化学療法

造血幹細胞移植

その他の薬物療法

  • 分子標的治療
  • がん免疫療法
※治療抵抗性の治療としても用いられます。

実際の治療方法や進め方などは、これまで受けた治療の種類や薬の反応性、年齢や全身状態などによっても異なりますので、主治医とよく相談し、納得したうえで治療を受けるようにしてください。

解説する医師のイラスト

分子標的治療について

分子標的治療は、がん細胞の表面にある特定の分子(タンパク質など)をターゲットに攻撃するようにつくられたお薬による治療法です。
ホジキンリンパ腫に対しては、がん細胞の表面にあるCD30(タンパク質)に結合する抗体とがん細胞の増殖を阻止する薬剤を結合させた治療薬が用いられます。
(適応は、CD30陽性の古典的ホジキンリンパ腫の患者さんに限られます。)

がん免疫療法について

がん免疫療法とは、人の体内にもともと備わっている免疫の力を使って、がん細胞への攻撃力を高める治療法です。ホジキンリンパ腫に対しては、「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる治療薬が用いられます。
(適応は、再発または治療抵抗性の古典的ホジキンリンパ腫の患者さんに限られます。)

点滴をしている患者さんのイラスト
国立がん研究センター がん情報サービス「ホジキンリンパ腫」
日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版, p297-298, 316-317, 金原出版, 2020
監修:
国立がん研究センター中央病院
血液腫瘍科 科長
伊豆津 宏二 先生

(2023年5月作成)