10治療中のセルフケア(化学療法を受ける方に)
化学療法を受けるにあたり、日常生活で注意することはありますか?
化学療法では、いろいろな副作用が起こりやすくなります。ここでは主な副作用への対応ポイントについてご紹介します
- 吐き気や嘔吐の対応ポイント
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- 吐き気や嘔吐は、起きてから対処するより予防することが大切です。医師から処方された吐き気止めの薬は、指示どおり服用しておきましょう。
- 吐き気が起きた場合は、番茶、レモン水、炭酸水、氷水などでうがいすると落ち着くことがあります。氷片などを口に含むのもよいでしょう。

- 白血球減少に伴う感染症の対応ポイント
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- うがいや手洗いを徹底しましょう。
- 外出時はマスクをし、できるだけ人混みを避けましょう。
- 入浴やシャワー、歯みがきなどを心掛けて、体を清潔に保ちましょう。
- 刃のあるカミソリは肌を傷つけやすいので、ひげ剃りは電気カミソリを使用して、切り傷を予防しましょう。

- 口内炎の対応ポイント
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- 虫歯、歯肉炎がある場合は抗がん剤投与前に治療しておきましょう。
- 口腔内や唇の乾燥予防に、うがいやリップクリームを使用して保湿しましょう。
- こまめにうがいをしましょう。やわらかい歯ブラシでていねいにみがきましょう。
- 熱いものは冷ましてから食べましょう。

- 味覚障害の対応ポイント
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- おいしいと感じるものを摂取しましょう。
- 味を感じにくい場合は、濃いめの味つけにしてみましょう。
柑橘 系の食材を使用したり、果物、酢の物、汁物の回数を増やしてみましょう。

- 脱毛の対応ポイント
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- 抗がん剤投与から2~3週間後に抜け始めます。あらかじめ髪を短く切っておくと脱毛時のショックが和らぎ、処理も楽になります。
- 抗がん剤の治療が終われば、多くの場合3~6ヵ月後には生えてきます。帽子やバンダナ、医療用かつらなどを使って上手に対処するとよいでしょう。

やさしい悪性リンパ腫外来治療の自己管理, p91-100, 医薬ジャーナル社, 2009
- 監修:
- 国立がん研究センター中央病院
血液腫瘍科 科長
伊豆津 宏二 先生
(2023年5月作成)