抗がん剤を用いてがん細胞の分裂を抑え、がん細胞の増殖を抑えたり消滅させることを目的とした治療法です。
化学療法とは、抗がん剤を、注射や点滴、内服などで全身に行き渡らせることでがん細胞を攻撃する全身的な治療です。血液中に入った抗がん剤は、全身をめぐって体内のがん細胞を攻撃します。これにより、リンパ腫の病変がある部分だけでなく、検査ではわからなかったような小さな病変に対しても効果が期待できます。
治療のスケジュールと進め方
化学療法では、最も効果的と考えられる薬の組み合わせとスケジュールがいくつか決まっています。これを「レジメン」といいます。
注射や点滴によるレジメンでは、治療する日(投与日)と、治療をしない日(休薬日)を組み合わせた周期があります。この周期は1コース、または1サイクルなどと呼ばれます。化学療法では、何コースか繰り返して行われるのが一般的です。
なお、治療の開始となる最初の1コースは入院して行うことが多いですが、その後は多くの場合、通院治療となります※。
※患者さんの状態によっても異なります。詳しくは主治医にご確認ください。
主な副作用
抗がん剤は多くの場合、がん細胞だけでなく、体内の正常な細胞にも作用します。特に細胞分裂が活発な骨髄や腸粘膜、毛根などに作用を及ぼし、それが副作用となって現れます。現れやすい副作用の種類と時期はだいたい分かっていますので、副作用を軽減させる薬などを用いて、体調管理の対策を講じながら治療を進めます。
一般的な化学療法による主な副作用と起こる時期(目安)
投与日
- アレルギー反応
- 発熱
- 血管痛
- 血圧低下
- 悪心(吐き気)、嘔吐【急性】
2~3日後
- 疲れやすさ、だるさ
- 食欲不振
- 悪心(吐き気)、嘔吐【遅延性】
1~2週間後
- 感染症にかかりやすくなる(発熱、口内炎など)
- 脱毛
3~4週間後
- 臓器障害(心臓、肝臓、腎臓など)
- 膀胱炎
- 手足のしびれ(末梢神経障害)
- 皮膚の角化やしみ(色素沈着)
2~6ヵ月後
その他
など
※ここに示した副作用の種類と発現時期は一般的な目安を示したものです。
すべての症状が現れるわけではありません。また症状の程度も個人差があります。
がん化学療法の副作用と対策, p5. 中外医学社, 1998 より改変
(治療中のセルフケアについては治療中のセルフケア(化学療法を受ける方に)をご参照ください)
国立がん研究センター がん情報サービス「がんになったら手にとるガイド・薬物療法(抗がん剤治療)のことを知る」