11治療中のセルフケア(放射線療法を受ける方に)

放射線療法を受けるにあたり、日常生活で注意することはありますか?

放射線を当てた部位の皮膚や粘膜が傷つきやすくなります。照射した皮膚や粘膜のケアをご紹介します。

照射部位の皮膚炎に対するケア
  • 摩擦まさつなどの刺激を避けることが大切です。
    照射した部位をゴシゴシこすらないようにしましょう。
  • 熱すぎるお風呂やサウナは避け、ぬるめのお風呂にしましょう。
    (皮膚をこすって治療範囲のマークが消えてしまわないように注意しましょう。)
  • 締め付けたり、こすれたりする衣服や下着の着用は避けましょう。
    首(頸部)に照射した場合は、襟元が大きく開いた服を着たり、やわらかいスカーフを巻くなどして、照射部位がこすれないようにしましょう。
  • 放射線を当てる部位に化粧品や香水はつけないようにしましょう。
摩擦などの刺激を避ける患者さんのイラスト
ぬるめのお風呂に入る患者さんのイラスト
口腔内の粘膜炎に対するケア
  • 口や喉の粘膜に負担をかけないように、食事や水を飲むときは、ゆっくり噛んで、飲み込むときの1回量を減らしましょう。
  • 食事は、粘膜を刺激しないように、かたいものや熱いもの、辛味の強い刺激物は避けましょう。
  • 毎食後にやわらかい歯ブラシで歯をみがき、口の中を清潔にしましょう。
  • こまめにうがいをして、乾燥を防ぎましょう。
  • お酒やタバコは、粘膜を刺激するので避けましょう。
    特にタバコは厳禁です。
ゆっくり噛んで食事をする患者さんのイラスト
  • かゆみやひりひりした感じがある場合は、冷たいタオルなどで冷やすと症状が軽快することがあります。
  • かゆみ止めなど塗り薬の使用は、医師や医療スタッフに確認しましょう。その他、気になる症状がある場合は、放射線療法のスタッフにご相談ください。
解説する看護師のイラスト
国立がん研究センター がん情報サービス「がんになったら手にとるガイド・放射線治療のことを知る」
やさしい悪性リンパ腫外来治療の自己管理, p74-81, 医薬ジャーナル社, 2009
監修:
国立がん研究センター中央病院
血液腫瘍科 科長
伊豆津 宏二 先生

(2023年5月作成)