尿路上皮がんの特徴的な症状は、血尿です。通常は痛みを伴わず、赤や茶色の尿が出ることで気づかれます。検診などの一般検査で血尿が見つかることもあります。膀胱炎のような症状(頻尿や排尿時の痛み、残尿感など)が見られることもあります。がんで尿管がふさがれてしまい腎臓に尿が溜まった状態(水腎症)になると、わき腹、腰、背中に痛みが生じたり、足がむくむ、といった症状が起こることもあります。がんで尿道がふさがれることもあり、尿が出にくくなることもあります。
腎盂・尿管・膀胱の位置と働き
腎盂と尿管は、腎臓でつくられた尿が通る管状の臓器で、膀胱とつながっています。腎盂と尿管は、左右にそれぞれ1対ずつあります。
膀胱は、骨盤の中にある袋状の臓器で、腎盂・尿管から送られた尿を溜め、尿道、体外へと排泄する働きがあります。
尿路にできるがんの組織型
尿路にできるがんは、そのほとんどが「粘膜上皮細胞」から発生する「尿路上皮がん」です。その他のタイプとしては、「扁平上皮がん」や「腺がん」などがありますが、頻度はまれです。
国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん/腎盂・尿管がん/がん統計」
日本泌尿器科学会編:膀胱癌診療ガイドライン2019年版[増補版], p10-20, 医学図書出版, 2023
日本泌尿器科学会編:腎盂・尿管癌診療ガイドライン2023年版, p50-52, 医学図書出版, 2023