8腎盂・尿管がんの治療法
腎盂・尿管がんの外科治療について教えてください
腎盂・尿管がんの手術では、深達度にかかわらず「腎尿管全摘除術・膀胱部分切除術」が選択されます。
「腎尿管全摘除術・膀胱部分切除術」とは、がんがある側の腎臓と尿管、膀胱の一部を切除するもので、腎盂・尿管がんに対する標準的な術式として用いられています。
筋層への浸潤やリンパ節への転移が疑われる場合は、周囲のリンパ節を切除する「リンパ節郭清」が施行されることもあります。

外科手術の主な合併症
国立がん研究センター がん情報サービス「腎盂・尿管がん」
日本泌尿器科学会編:腎盂・尿管癌診療ガイドライン2014年版, p30-38, 42-44, メディカルレビュー社, 2019
腎尿管全摘除術・膀胱部分切除術による切除範囲※

※切除範囲は患者さんの状態によって異なります。
手術方法
- ●手術方法は、おなかを開いて切除する方法(開腹手術)と、おなかに小さな
孔 を数ヵ所開けてカメラや器具を挿入して切除する方法(腹腔鏡下手術)があります。2022年4月よりロボット支援による腹腔鏡下手術も保険承認されました。 - ●手法は異なりますが、切除する範囲は同じです。

腹部を開いて、目で確認しながらがんがある臓器やリンパ節を切除します。

腹部に入れたカメラの映像を見ながら、鉗子を用いてがんがある臓器やリンパ節を切除します。
国立がん研究センター がん情報サービス「腎盂・尿管がん」
国立がん研究センター 東病院「泌尿器・後腹膜腫瘍科 ロボット手術(ダビンチ)について」
小島祥敬 監修:泌尿器がん 術前術後管理のすべて, p69-70, MCメディカ出版, 2021
- 監修:
- 東京医科歯科大学大学院 腎泌尿器外科学 教授
藤井 靖久 先生