腎盂・尿管がんの手術では、深達度にかかわらず「腎尿管全摘除術・膀胱部分切除術」が選択されます。
「腎尿管全摘除術・膀胱部分切除術」とは、がんがある側の腎臓と尿管、膀胱の一部を切除するもので、腎盂・尿管がんに対する標準的な術式として用いられています。
筋層への浸潤やリンパ節への転移が疑われる場合は、周囲のリンパ節を切除する「リンパ節郭清」が施行されることもあります。
外科手術の主な合併症
癒着による腸閉塞や感染症による発熱などがあります。
国立がん研究センター がん情報サービス「腎盂・尿管がん」
日本泌尿器科学会編:腎盂・尿管癌診療ガイドライン2023年版, p47, 72-76, 医学図書出版, 2023
腎尿管全摘除術・膀胱部分切除術による切除範囲※
※切除範囲は患者さんの状態によって異なります。
手術方法
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●手術方法は、おなかを開いて切除する方法(開腹手術)と、おなかに小さな孔を数ヵ所開けてカメラや器具を挿入して切除する方法(腹腔鏡下手術)があります。2022年4月よりロボット支援による腹腔鏡下手術も保険承認されました。
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●手法は異なりますが、切除する範囲は同じです。
腹部を開いて、目で確認しながらがんがある臓器やリンパ節を切除します。
腹部に入れたカメラの映像を見ながら、鉗子を用いてがんがある臓器やリンパ節を切除します。
国立がん研究センター がん情報サービス「腎盂・尿管がん」
国立がん研究センター 東病院「泌尿器・後腹膜腫瘍科 ロボット手術(ダビンチ)について」
小島祥敬 監修:泌尿器がん 術前術後管理のすべて, p69-70, MCメディカ出版, 2021