大腸がんの薬物治療

進行・再発大腸がん（直腸・結腸がん）の治療には、「手術」、「薬物療法」、「放射線療法」などがありますが、手術が難しい場合や体の色々な場所に「がん」が転移している場合は、お薬を使った全身的な治療「薬物療法」を行います。
現在、薬物療法としては「免疫チェックポイント阻害薬」、「分子標的薬」、「抗がん剤」などの中から患者さんに合ったお薬を組み合わせて治療を行います。

治療で使われるお薬について　～ビラフトビ・セツキシマブのはたらき～

ビラフトビはBRAF 遺伝子変異＊を、セツキシマブはEGFRを標的にした「 分子標的薬」です。
BRAF 遺伝子変異をもっている大腸がんの患者さんは5～10％程度と報告されています。

＊BRAF遺伝子は細胞の増殖にかかわる遺伝子で、何らかの変化で遺伝子に傷がつく（遺伝子変異）と、産生するたんぱく質が活性化して細胞が増え続け、がんの発生・進行につながります。

◆ビラフトビを投与する際には遺伝子検査が必要です！

ビラフトビは、治療経験があってBRAF遺伝子変異をもつ大腸癌に対して効果が示されていますので、治療の前にBRAF遺伝子変異があるか、遺伝子検査を行う必要があります。病変の一部を採取し、「MEBGEN RASKET ™ -B キット」又は「Qiagen therascreen® BRAF V600E RGQ PCR検査キット」で遺伝子検査を行い、BRAF遺伝子変異（遺伝子変異の種類：V600E、V600Kなど）が検出された場合にビラフトビで治療することができます。

治療スケジュール

ビラフトビは毎日服用する飲み薬ですが、併用するセツキシマブは1週間に1回、静脈から点滴投与されます。飲み薬のビラフトビについては、効果を十分得るためにも決められた量のお薬を正しく服用することが大切です。

ビラフトビの服用方法

ビラフトビは時間を決めて、毎日同じ時刻に飲みましょう。また、患者さんの状態によって「休薬」や「減量」を行う場合があります。お薬の服用方法は医師の指示に従ってください。

ビラフトビを服用する前に、特に注意が必要なビラフトビの副作用、Q&A

ビラフトビ・セツキシマブ（2剤併用療法）によくみられる副作用

ビラフトビ・セツキシマブ（2剤併用療法）治療日記