ベレキシブルのはたらき
中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)および、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)は、がん化したB細胞が増え過ぎた状態です。
B細胞の中にあるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)と呼ばれる酵素がB細胞の活性化や増殖を助けるはたらきをもっています。
BTKは、主にB細胞の表面にある受容体(BCR)からの刺激によってはたらきますが、MYD88やCXCR4と呼ばれるタンパク質からも刺激されます。原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)では、MYD88やCXCR4の遺伝子に異常がみられる場合があります。
ベレキシブルは、このBTKのはたらきを抑えることでがん細胞が増えるのを抑えます。
中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)に対する働き
WM/LPLに対する働き
- BCR(B細胞受容体):B細胞の表面にあり、細胞の外からの刺激を受け取ります。
- MYD88(ミエロイド系分化因子88):細胞の生存に関わっています。
- CXCR4(CXCモチーフ型ケモカイン受容体4):B細胞を分化させるはたらきをもちます。
日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版, 2020、金原出版.