ベレキシブルのはたらき
中枢神経系原発悪性リンパ腫は、がん化したB細胞が増え過ぎた状態です。B細胞の中にあるブルトン型チロシンキナーゼと呼ばれる酵素がB細胞の活性化や増殖を助けるはたらきをもっています。
ベレキシブルは、ブルトン型チロシンキナーゼのはたらきを抑えることでがん細胞が増えるのを抑えます。
中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)に対する働き

原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)は、がん化したB細胞が増え過ぎた状態です。B細胞の中にあるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)と呼ばれる酵素がB細胞の活性化や増殖を助けるはたらきをもっています。BTKは、主にB細胞の表面にある受容体(BCR)からの刺激によってはたらきますが、MYD88やCXCR4と呼ばれるタンパク質からも刺激されます。原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)では、MYD88やCXCR4の遺伝子に異常がみられる場合があります。
ベレキシブルは、このBTKのはたらきを抑えることでがん細胞が増えるのを抑えます。
WM/LPLに対する働き1-7)

- BCR(B細胞受容体):B細胞の表面にあり、細胞の外からの刺激を受け取ります。
- MYD88(ミエロイド系分化因子88):細胞の生存に関わっています。
- CXCR4(CXCモチーフ型ケモカイン受容体4):B細胞を分化させるはたらきをもちます。
- 1)日本血液学会 編: 造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版)
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_3.html#soron(2025年4月閲覧)
- 2)小野薬品工業社内資料:In vitro薬理試験[承認時評価資料]
- 3)Genevier HC et al. Eur J immunol. 1994; 24(12): 3100-3105.
- 4)Aoki Y et al. Proc Natl Acad Sci USA. 1994; 91(22): 10606-10609.
- 5)Hendriks RW et al. Nat Rev Cancer. 2014; 14(4): 219-232.
- 6)Honigberg LA et al. Proc Natl Acad Sci USA. 2010; 107(29): 13075-13080.
- 7)Rickert RC. Nat Rev Immunol. 2013; 13(8): 578-591.