ビラフトビ・セツキシマブ(2剤併用療法) トップ 1 分子標的薬による薬物治療 2 治療で使われるお薬について 3 治療スケジュール、治療の対象となる方 4 ビラフトビの服用方法 5 ビラフトビを服用する前に 6 特に注意が必要なビラフトビの副作用 7 ビラフトビ・セツキシマブ(2剤併用療法)によくみられる副作用 8 Q&A 9 ビラフトビ・セツキシマブ(2剤併用療法)治療日記 小野薬品の薬をご使用の方向け情報 2.治療で使われるお薬について 大腸がん 小野薬品の薬 BRAF遺伝子変異 ビラフトビはBRAF 遺伝子変異*を、セツキシマブはEGFRを標的にした「分子標的薬」です。 ビラフトビは、BRAF遺伝子変異に伴うたんぱく質の活性化をブロックし、がん細胞の増殖を抑えるはたらきをもっています。 セツキシマブは細胞の表面に並んでいる「EGFR(上皮細胞増殖因子受容体)」というたんぱく質に結合し、がん細胞の増殖を抑えるはたらきをもっています。 ビラフトビはたんぱく質の活性化をブロックするため、がん細胞の増殖を抑える作用が期待できます1-3)。 ビラフトビががん細胞の増殖を抑えるしくみ 1)Maanaoui M. et al.: Medicine (Baltimore). 96(25), e7196, 2017 2)宇原 久. 信州医誌. 64(2), 63, 2016 3)Lo JA. et al.: Science. 346(6212), 945, 2014 EGFRからがん細胞を増やすシグナルが伝わる途中に、「RAS」という遺伝子があります。「RAS遺伝子」には、「野生型」と「変異型」があり、セツキシマブは「野生型」のRAS遺伝子をブロックすることで、シグナル伝達を止め、がん細胞の増殖を抑える作用が期待できます。なお、BRAF遺伝子変異をもっている患者さんでは、RAS遺伝子が「野生型」であることがわかっています。 セツキシマブががん細胞の増殖を抑えるしくみ 日本臨床腫瘍学会:編集, 大腸癌診療における遺伝子関連検査等の ガイダンス 第4 版, 2019 年, 金原出版, 東京より作成 *BRAF遺伝子は細胞の増殖にかかわる遺伝子で、何らかの変化で遺伝子に傷がつく(遺伝子変異)と、産生するたんぱく質が活性化して細胞が増え続け、がんの発生・進行につながります。 監修: 国立がん研究センター東病院 副院長 吉野 孝之 先生 (2024年6月作成) 分子標的薬による薬物治療 治療スケジュール、治療の対象となる方 ビラフトビ・セツキシマブ(2剤併用療法) トップに戻る