小野薬品の薬をご使用の方向け情報

6.特に注意が必要な副作用

ビラフトビ・メクトビは、服用中に副作用があらわれることがあります。ここでは、特に注意が必要な副作用を紹介しますので、気になる症状があらわれたら、すぐに医師、薬剤師、看護師に知らせてください。

[特に注意が必要となる副作用 ]

ビラフトビ

  • 皮膚悪性腫瘍
  • 手掌しゅしょう・足底発赤知覚不全症候群
  • 眼障害
  • 腫瘍崩壊症候群

メクトビ

  • 眼障害
  • 心機能障害
  • 肝機能障害
  • 横紋筋融解症
  • 高血圧
  • 出血
  • 腫瘍崩壊症候群

[特に注意が必要となる副作用の発現頻度]

ビラフトビ・メクトビ・セツキシマブ(3剤併用療法)において、臨床試験で認められた「特に注意が必要となる副作用」です。

ビラフトビ
副作用 発現頻度
皮膚悪性腫瘍 0%
手掌しゅしょう・足底発赤知覚不全症候群 13%
眼障害 25%

ビラフトビ・メクトビ・セツキシマブ(3剤併用療法)では発現が認められませんでしたが、ビラフトビ+セツキシマブの併用療法では、1.9%の副作用が認められました。

メクトビ
副作用 発現頻度
眼障害 25%
心機能障害 5%
肝機能障害 7%
横紋筋融解症 20%
高血圧 1%
出血 6%

※臨床試験では腫瘍崩壊症候群の発現は認められておらず、発現頻度は不明です。
小野薬品工業:ビラフトビ・メクトビ適正使用ガイド、2024年5月より作成

皮膚悪性腫瘍(新たな皮膚がん)

皮膚に新たながんができることがあります。

  • 表面がてかてかした青黒いほくろのような「いぼ」ができる表面がてかてかした青黒いほくろのような「いぼ」ができる
  • 急に「いぼ」ができて、どんどん大きくなる急に「いぼ」ができて、大きくなる
  • 皮膚の表面がただれたり、じゅくじゅくしたりする皮膚の表面がただれたり、じゅくじゅくしたりする

手掌しゅしょう・足底発赤知覚不全症候群

手や足にしびれ、ピリピリするような感覚の異常や、やけどをしたときのような痛みがあらわれることがあります。また、手足が全体的に赤くはれぼったくなったり、部分的に赤くはれたり、水ぶくれができたりすることもあります。

  • ピリピリする、やけどのように痛む、手足がしびれるピリピリする
    やけどのように痛む
    手足がしびれる
  • 手足が赤くはれる手足が赤くはれる
  • 水ぶくれができる水ぶくれができる

眼障害

ものが見づらくなり、その症状が持続したり、急激に悪化することがあります。

  • 虫が飛んでいるように見える虫が飛んでいるように見える
  • 視力の低下視力の低下
  • いつもよりまぶしく感じるいつもよりまぶしく感じる
  • 眼の充血眼の充血

その他の症状

  • 近くのものにピントが合いにくい
  • 色がわかりにくくなる
  • 暗くなると見えにくくなる
  • 視野が狭くなる、視野の中に見えない部分がある
  • ものがゆがんで見える など

腫瘍崩壊症候群

腫瘍が急速に死滅(崩壊)したときに、体内の電解質のバランスが崩れ尿酸が結晶化しやすくなります。
症状を自覚して早期発見することは難しいため、水分を多くとるなど予防が大切です。

症状

  • 意識の低下
  • 意識の消失
  • 尿量が減る
  • 息苦しい
  • 息切れ など

心機能障害

心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液を十分に送り出せなくなる心不全があらわれることがあります。

動くと苦しい、息切れ、呼吸困難動くと苦しい
息切れ
呼吸困難

その他の症状

  • 突然、脈が乱れてめまいや意識を失う
  • 疲れやすい
  • 不眠、冷感
  • むくみ など

肝機能障害

血液中の肝臓の損傷度合いを示す指標が基準値より高くなることがありますので、定期的に血液検査で確認します。

皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)

その他の症状

  • いつもより疲れやすい
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 発熱
  • 腹痛 など

横紋筋融解症

筋肉の炎症や融解により筋肉痛や脱力などを生じる横紋筋融解症があらわれることがあります。

手足がしびれる、手足に力が入らない、こわばる手足がしびれる
手足に力が入らない
こわばる

その他の症状

  • 手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む
  • 全身がだるい
  • 赤褐色の尿が出る など

高血圧

動悸、息切れ、めまいなどの症状があらわれることがあります。

その他の症状

  • 頭痛、肩こり
  • 顔のほてり
  • 体がだるい など

出血

出血しやすくなることがあります。

血便血便
血尿

その他の症状

  • 歯ぐきからの出血 など

このような症状や変化に気づいたら、すぐに医師、薬剤師、看護師に知らせてください。

監修:
国立がん研究センター東病院 副院長
吉野 孝之 先生

(2024年6月作成)