小野薬品の薬をご使用の方向け情報
非小細胞肺がんの治療でオプジーボと化学療法の併用療法を受けた方へ
オプジーボ(一般名:ニボルマブ)は、私たちがもともと持っている免疫の力を回復させることでがんへの攻撃力を高める、これまでとは異なるメカニズムに基づく〝がん免疫療法〟の治療薬です。
非小細胞肺がんの治療と薬物療法
肺がんは、組織型の違いによって大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分けられます。多くを占めているのは「非小細胞肺がん」で、肺がん全体の約 85%を占めています。
非小細胞肺がんの主な治療法には、手術や放射線による局所的な治療と、お薬を使った全身的な治療である「薬物療法」があります。このうち、再発をきたした方や、手術による治療が難しい患者さんについては、多くの場合、薬物療法を中心とした治療が考慮されます。
薬物療法については、〝がんと免疫〟に関する研究が進み、これまでとは異なる作用を持つがん免疫療法のお薬「免疫チェックポイント阻害薬」が臨床で使えるようになりました。また近年では、免疫チェックポイント阻害薬と化学療法とを組み合わせた併用療法も開発され、治療の選択肢がさらに広がっています*。

「がん免疫療法」「免疫チェックポイント阻害薬」について詳細をみる
がん免疫とはオプジーボとは
◆ブレーキを外してT細胞の免疫力を回復させ、がん細胞への攻撃を助ける治療薬です。
オプジーボは、T細胞のPD-1と結合して免疫の働きにブレーキがかからないようにする「免疫チェックポイント阻害薬」です。
オプジーボが血液に入ると、T細胞のPD-1と結びつくことでがん細胞との結合が阻害され、かけられたブレーキが解除されます。
こうしたオプジーボの作用によって、T細胞は、妨害を受けることなく、がん細胞を攻撃できるようになるのです。
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小野薬品の薬を使用された方へオプジーボ
化学療法とは
◆がん細胞を直接攻撃する従来型の抗がん剤(細胞障害性抗がん剤)を用いた治療法です。
がん細胞は、細胞分裂を繰り返して異常に増殖します。化学療法で使われる抗がん剤は、主にがん細胞の増殖過程に作用して、がん細胞の増殖を阻止する働きがあります。
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小野薬品の薬を使用された方へオプジーボ・化学療法併用療法
オプシーボと併用される抗がん剤
オプジーボと化学療法との併用療法では、2種類の抗がん剤が使われます。使われるお薬は、がん細胞のタイプ(扁平上皮がんか非扁平上皮がんか)によって異なりますので、ご自身が受ける治療法について確認しておきましょう。

治療の進め方とスケジュール(オプジーボと化学療法の併用療法からオプジーボ単独投与への流れ)
◆オプジーボと化学療法との併用療法は、通常4サイクル行います。その後オプジーボによる単独投与に移行します※。

投与方法
◆オプシーボと抗がん剤は、点滴で投与します。

オプジーボ・化学療法併用療法の治療の対象となる方
◆オプジーボと化学療法との併用療法は、手術による治療が難しい、または再発をきたした非小細胞肺がんの患者さんのうち、これまでに薬物療法を受けたことがない方が対象となります。
治療を受けることができない患者さん
オプジーボに含まれている成分に対して、以前、アレルギー反応(気管支けいれん、全身性の皮膚症状、低血圧など)を起こしたことがある方は、さらに重いアレルギー反応が出る可能性があるため、オプジーボによる治療は受けられません。
治療を慎重に検討する必要がある患者さん
次のような方は、オプジーボによる治療を受けられないことがあります。
- ◎自己免疫疾患*にかかったことがある方
- ◎間質性肺疾患**にかかったことがある方
- ◎臓器移植(造血幹細胞移植を含む)を受けたことがある方
- ◎結核にかかったことがある(発症する恐れがある)方
*: | 自己免疫疾患 免疫機能が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気で、甲状腺機能異常症や関節リウマチ、1型糖尿病などが自己免疫疾患に含まれます。 |
**: | 特に注意すべき副作用をご参照ください。 |
注意が必要なその他の副作用、ご注意
オプジーボ・化学療法併用療法による治療は、副作用が現れることがあるので注意が必要です。下記リンクからご確認ください。
オプジーボ・化学療法併用療法の副作用、注意点などについて詳細をみる
オプジーボ・化学療法併用治療 治療日記
オプジーボ・化学療法併用療法による治療中、特に気をつけていただきたい症状をチェック項目としてまとめています。
- 監修:
- 近畿大学医学部 内科学 腫瘍内科部門
主任教授 中川 和彦先生