小野薬品の薬をご使用の方向け情報

非小細胞肺がんの治療でオプジーボを使用された方へ

オプジーボ(一般名:ニボルマブ)は、私たちがもともと持っている免疫の力を回復させることでがんへの攻撃力を高める、これまでとは異なるメカニズムに基づく〝がん免疫療法〟の治療薬です。

非小細胞肺がんの治療と薬物療法

肺がんは、組織型の違いによって大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分けられます。多くを占めているのは「非小細胞肺がん」で、肺がん全体の約85%を占めています。
非小細胞肺がんの主な治療法には、手術や放射線による局所的な治療と、お薬を使った全身的な治療である「薬物療法」があります。このうち、再発をきたした方や、手術による治療が難しい患者さんについては、多くの場合、薬物療法を中心とした治療が考慮されます。
薬物療法については、〝がんと免疫〟に関する研究が進み、これまでとは異なる作用を持つ「がん免疫療法」が開発され、治療の選択肢がさらに広がりました
がん免疫療法の薬は、そのメカニズムから「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれています。

※オプジーボによる治療の対象となる方(非小細胞肺がん)についてはこちらをご参照ください。
がん免疫療法
国立がん研究センター がん情報サービス「肺がん」
日本肺癌学会編:患者さんのための肺がんガイドブック 2021年版, p18,72,96-97, 金原出版, 2021

「がん免疫療法」「免疫チェックポイント阻害薬」について詳細をみる

がん免疫とは

オプジーボとは

◆ブレーキを外してT細胞の免疫力を回復させ、がん細胞への攻撃を助ける治療薬です。
オプジーボは、T細胞のPD-1と結合して免疫の働きにブレーキがかからないようにする「免疫チェックポイント阻害薬」です。
オプジーボが血液に入ると、T細胞のPD-1と結びつくことでがん細胞との結合が阻害され、かけられたブレーキが解除されます。
こうしたオプジーボの作用によって、T細胞は、妨害を受けることなく、がん細胞を攻撃できるようになるのです。

オプジーボについて詳細をみる

小野薬品の薬を使用された方へ
オプジーボ

オプジーボによる治療の対象となる方

◆オプジーボは、非小細胞肺がんの患者さんのうち、手術による治療が難しい患者さん、または再発をきたした方で、薬物療法を受けたことがある患者さんが対象となります。

※抗がん剤による化学療法(分子標的薬を含む)

オプジーボによる治療を受けることができない患者さん

オプジーボに含まれている成分に対して、以前、アレルギー反応(気管支けいれん、全身性の皮膚症状、低血圧など)を起こしたことがある方は、さらに重いアレルギー反応が出る可能性があるため、オプジーボによる治療は受けられません。

オプジーボによる治療を慎重に検討する必要がある患者さん

次のような方は、オプジーボによる治療を受けられないことがあります。

  • ◎自己免疫疾患にかかったことがある方
  • ◎間質性肺疾患**にかかったことがある方
  • ◎臓器移植(造血幹細胞移植を含む)を受けたことがある方
  • ◎結核にかかったことがある(発症する恐れがある)方
*:自己免疫疾患
免疫機能が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気で、甲状腺機能異常症や関節リウマチ、1型糖尿病などが自己免疫疾患に含まれます。
**:オプジーボの特に注意すべき副作用をご参照ください。
オプジーボ電子添文 2022年10月改訂(第16版)

オプジーボによる治療方法

◆オプジーボは、30分以上かけて点滴で投与します。

◆治療スケジュールは、2週間(14日間)ごとに1回投与する方法と、4週間(28日間)ごとに1回投与する方法の2種類あります。

◆治療スケジュールについては、主治医にご確認ください。

投与スケジュール
オプジーボ電子添文 2022年10月改訂(第16版)より作成

オプジーボの特に注意すべき副作用、注意が必要なその他の副作用、ご注意

オプジーボによる治療中には、副作用が現れることがあるので注意が必要です。下記リンクから詳細をご確認ください。

オプジーボ治療Q&A

オプジーボ治療日記

オプジーボによる治療中、特に気をつけていただきたい症状をチェック項目としてまとめています。

監修:
近畿大学医学部 内科学 腫瘍内科部門 主任教授
中川 和彦 先生

(2023年3月作成)