あなたと一緒に、がんと向き合う

7薬物療法について

薬物療法とは、どのような治療法ですか?

薬剤を使って、がん細胞の増殖を抑えたり、消滅させることを目的とした治療法です。体のすみずみまで行き渡ることで、全身に散らばったがんに対しても作用を示します。

胃がんの薬物療法は、手術と組み合わせて行われる「補助化学療法」と、手術が難しい状況でがんの進行を抑えたり症状をコントロールする目的で行われる治療法があります。
補助化学療法は、手術の治療効果を高めたり、再発を防ぐことを目的に、抗がん剤を使って行われる治療です。
一方、手術による治療が困難な場合の薬物療法には、「化学療法(抗がん剤)」と「分子標的療法」「がん免疫療法」の3種類があります。

薬物療法では、最も効果的と考えられる薬の組み合わせとスケジュールがいくつか決まっています。これを「レジメン」といいます。
最初のレジメン(1次治療)の効果がみられなかった場合は、別のレジメンを使った2次治療、3次治療が行われることもあります。
どのような薬物療法を行うか、実際の治療戦略については、遺伝子変異の有無や薬剤の副作用の程度、患者さんの全身状態などを考慮して決められます。※手術前に行われる「術前補助化学療法」と、手術後に行われる「術後補助化学療法」があります。

点滴をしている患者さん
国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん・治療」
もっと知ってほしい胃がんのこと, p14,18-19, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2014
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 胃がん 改訂版, p94-101, 医薬ジャーナル社, 2012

化学療法(抗がん剤)

抗がん剤は、主に細胞が分裂する増殖過程に作用して、DNAの合成を妨げたり、分裂機構を障害することで、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。胃がんに対しては、単独または複数の種類の抗がん剤を組み合わせて用います。

抗がん剤

分子標的療法(分子標的薬)

分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わる特定の遺伝子の産物(タンパク質)に作用し、がん細胞が増えるのを抑える働きがあります。
胃がん患者さんで、HER2ハーツーと呼ばれる、がんの増殖に関わるタンパク質が多く発現している場合、HER2を標的とした分子標的薬が用いられます。また、がん細胞に栄養を供給する血管の細胞に発現するVEGFR-2タンパク質を標的とした分子標的薬も用いられます。

分子標的薬
がん化学療法ケアガイド 改訂版, p25-39, 中山書店, 2012
日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第4版, 南江堂, 2015

がん免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)

私たちの体は、免疫機能が正常に働いている状態では、T細胞などの免疫細胞が、がん細胞を「自分でないもの」と判断し攻撃します。しかし、がん細胞は、免疫機能から逃れようと、免疫細胞にブレーキをかけ、攻撃から逃れていることがわかっています。
薬剤を用いて、がん細胞による免疫細胞へのブレーキを解除し、患者さん自身にもともとある免疫の力を使って、がん細胞への攻撃力を高める治療法を「がん免疫療法」といいます。
胃がんでは、「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる薬剤が用いられています

免疫チェックポイント阻害薬
日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第4版, 南江堂, 2015
がん免疫療法ガイドライン, 金原出版, 2016
国立がん研究センター がん情報サービス「免疫療法」

※免疫チェックポイント阻害薬による治療は、胃がん患者さんのうち、手術による治療が難しい患者さん、または再発をきたした患者さんで、薬物療法を受けたことのある方が対象となります(2017年11月現在)。

*抗がん剤による化学療法(分子標的薬との併用を含む)

監修:
静岡県立静岡がんセンター 胃外科 部長
寺島 雅典 先生

胃がんの治療で小野薬品の薬を使用された方へ