小野薬品の薬をご使用の方向け情報
胃がんの治療でオプジーボを使用された方へ
オプジーボ(一般名:ニボルマブ)は、私たちがもともと持っている免疫の力を回復させることでがんへの攻撃力を高める、これまでとは異なるメカニズムに基づく〝がん免疫療法〟の治療薬です。
進行・再発胃がんに対する治療法
胃がんの治療は、多くの場合、手術が主体となります。しかし、病気が進行してがんがほかの部位に転移している場合や、手術が難しい場合、再発した場合などは、お薬を使った全身的な治療である「薬物療法」が考慮されます。
薬物療法については、〝がんと免疫〟に関する研究が進み、これまでとは異なる作用を持つ「がん免疫療法」が開発され、治療の選択肢がさらに広がりました※。
がん免疫療法の薬は、そのメカニズムから「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれています。

日本胃癌学会:胃癌治療ガイドライン医師用 2021年7月改訂 第6版, 金原出版, 2021
オプジーボ添付文書 2022年10月改訂(第16版)
胃がんの進行度や転移など、病期(ステージ)について詳細をみる
病期(ステージ)とはなんですか?どのように決められますか?
「がん免疫療法」「免疫チェックポイント阻害薬」について詳細をみる
がん免疫とはオプジーボとは
- ◆ブレーキを外してT細胞の免疫力を回復させ、がん細胞への攻撃を助ける治療薬です。
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オプジーボは、T細胞のPD-1と結合して免疫の働きにブレーキがかからないようにする「免疫チェックポイント阻害薬」です。
オプジーボが血液に入ると、T細胞のPD-1と結びつくことでがん細胞との結合が阻害され、かけられたブレーキが解除されます。
こうしたオプジーボの作用によって、T細胞は、妨害を受けることなく、がん細胞を攻撃できるようになるのです。
日本臨床腫瘍学会編:がん免疫療法ガイドライン第2版, p6-9, 金原出版, 2019
オプジーボについて詳細をみる
小野薬品の薬を使用された方へオプジーボ
オプジーボ単独療法による治療の対象となる方
◆オプジーボ単独療法は、胃がんの患者さんのうち、手術による治療が難しい患者さん、または再発をきたした患者さんで、薬物療法※を受けたことがある方が対象となります。
※抗がん剤による化学療法(分子標的薬との併用を含む)オプジーボによる治療を受けることができない患者さん
オプジーボに含まれている成分に対して、以前、アレルギー反応(気管支けいれん、全身性の皮膚症状、低血圧など)を起こしたことがある方は、さらに重いアレルギー反応が出る可能性があるため、オプジーボによる治療は受けられません。
オプジーボによる治療を慎重に検討する必要がある患者さん
次のような方は、オプジーボによる治療を受けられないことがあります。
- ◎自己免疫疾患*にかかったことがある方
- ◎間質性肺疾患**にかかったことがある方
- ◎臓器移植(造血幹細胞移植を含む)を受けたことがある方
- ◎結核にかかったことがある(発症する恐れがある)方
*: | 自己免疫疾患 免疫機能が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気で、甲状腺機能異常症や関節リウマチ、1型糖尿病などが自己免疫疾患に含まれます。 |
**: | オプジーボの特に注意すべき副作用をご参照ください。 |
オプジーボによる治療方法
◆オプジーボは、30分以上かけて点滴で投与します。
◆治療スケジュールは、2週間(14日間)ごとに1回投与する方法と、4週間(28日間)ごとに1回投与する方法の2種類あります。
治療スケジュールについては、主治医にご確認ください。

オプジーボの特に注意すべき副作用、注意が必要なその他の副作用、ご注意
オプジーボによる治療中には、副作用が現れることがあるので注意が必要です。下記リンクから詳細をご確認ください。
オプジーボ治療Q&A
オプジーボ治療日記
オプジーボによる治療中、特に気をつけていただきたい症状をチェック項目としてまとめています。
- 監修:
- 名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学
教授 小寺 泰弘 先生