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2.がん細胞と免疫チェックポイント機構

がん細胞は、T細胞の働きにブレーキをかけて、その攻撃から逃れています。

がん細胞を攻撃するT細胞の表面には、情報を伝えるアンテナが出ています。このアンテナにがん細胞が結びつくと、「攻撃を止めろ!」という抑制信号がT細胞に伝えられ、免疫の働きにブレーキがかかります。こうした仕組みを「免疫チェックポイント機構」といいます。
最近の研究から、がん細胞は、こうした仕組みを利用して、T細胞の攻撃から逃れていることがわかってきました。

免疫チェック機構

やさしく学べるがん免疫療法のしくみ, p26-29, 羊土社, 2016

がんの免疫逃避について

  • 通常、がん細胞はT細胞など免疫の力によって取り除かれています。しかし、がん細胞のなかには、免疫から逃れる方法を獲得しながら増殖を繰り返すものがあり、これらが一定以上の塊にまで増殖することで「がん」となります。
  • がん細胞が免疫から逃れる方法はさまざまです。がん細胞は表面に〝目印〟を持っていて、たとえばその目印を消したり隠すことによって、免疫の攻撃から逃れています。また、がん細胞は、免疫がうまく働かなくなる物質を出すことで、免疫の攻撃をかわしていることもわかってきました。
隠す
がん細胞は目印をごまかす
うまく働かなくなる物質を出す
がん細胞は免疫細胞を邪魔する
(イメージ図)

やさしく学べるがん免疫療法のしくみ, p14-23, 羊土社, 2016

(2024年5月作成)